「笑わずにはいられません!」『記憶にございません!』

かつて、中井貴一さんは、まだ無名の吉田羊さんをテレビで見かけたそうです。そこから吉田羊さんに自分が出ているドラマに出演してもらったというエピソードを思い出しました。

映画『記憶にございません!』は、中井貴一さん演じる総理大臣が記憶を無くしてしまいます。


尊大で不遜な態度だった首相が、記憶を失ったことで、性格が一変してしまいます。


映画館で笑い声が響くのは、三谷作品の特徴かもしれません。


本作は、三谷作品に欠かせない俳優から、珍しい顔ぶれまで多様な出演者が並びます。


中井貴一さんと吉田羊さんが対峙するシーンも笑いあり、掛け合いあり。前述のエピソードから何だか感慨深いものがありました。


梶原善さん、小林隆さんなどが登場すると思わず、それだけで笑ってしまいます。なかなか映画館で笑いが起きることはありません。三谷作品は諧謔性やメッセージ、舞台を観てるような錯覚、安定の俳優陣。どこを切ってもおいしい食材のようです。


観賞後、娘から「100点満点で何点?」と問われました。素人が映画に点数をつけるのは憚れますが、子どもの無邪気さに私は「65点」妻は「70点」と答えました。


低いのは、基準が「マジックアワー」になってしまうからです。こちらは佐藤浩一さん演じる「デラ富樫」が可笑しすぎて最高傑作でした。


質問した娘はなんと「120点」です。100点超えてる、と思わずツッコミたくなりましたが、子どもの心をも掴む三谷幸喜恐るべし。

 


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